そこまで言って

やっと録画を観た。

日曜日に放映された「たかじんのそこまで言って委員会」。

今回はパネラーが豪華だった。北野武や、「サンプロ」を「事業仕分け」された田原総一朗までパネラーで出演するとは驚いた。

しかもテーマが「メディア論」、と興味深いモノだった。

あのメンバーでこのテーマ。全然時間が足りなかった。この企画・メンバーで「朝まで生テレビ」をしてくれたら面白いのに。

非常に興味深い話題が2つあた。しかし、読売テレビの「意図的」編集なのか、池田信夫氏と上杉隆氏が提起した2つの問題について、「ぶつ切り」された。

そこを放映してこその「そこまで言って委員会」ではないのか。

さてそのなかで上杉隆氏が提起した「官房機密費」の問題。この官房機密費がなんと政治記者や評論家に流れていたというのだ。

出所は先月のテレビ番組。小渕内閣官房長官を務めた野中広務氏が番組の中で、年間約14億円の機密費の使途について、歴代内閣からの「メモ」をもとに政権維持に有力と思われる人物にカネを渡していたということを暴露したのだ。

わかりやすく言うと、「お金あげるから自民党にふりになるようなことを言わないでね。」ということだ。もっと言えば「自民党に有利になるように世論を誘導してね」ってことだ。

官房機密費は私自身は否定しないし、権力がそういう「表に出せない金」をもっていてそれを使うというのはあってもいいと思う。しかし本来権力をチェックする働きをもつはずのマスコミがこのお金を権力側から受け取るということはあってはいけないことだ。

暴力団とそれを取り締まる警察が金品のやりとりをすることと同じだろう。

マスコミは、普段「政治とカネ」問題をあれだけ追及しているのにもかかわらず、今回の「マスコミとカネ」問題については、どこも口をつぐんでいる。いつも必要以上に「政治とカネ」の問題を騒ぎ立てているのにもかかわらず、だ(小沢問題しかり)。日本のマスコミは終わっているとしかいいようがない。


そこまで言って委員会」に出演していた田原氏に、出演者から質問が飛んだ。「田原さんはもらってないんですか?」このこの質問に対して田原氏はこう答えた。

「野中さんが受け取らなかったといってるじゃない」


どういうことかというと、野中氏は「田原さん(田原総一朗)だけは(機密費を持っていったけど)受け取ってもらえなかった」と発言しているのだ。

その発言を引き合いに出して田原氏は答えたのだ。

テレビを観ていて、2つの意味で「おかしいのでは?」と思った。一つは野中氏の発言だ。「自分がお金を評論家に配った」とそこまでいうのなら、その「配った相手」の名前を挙げるべきだろう。それなのに「受け取らなかった人」の名前をわざわざ挙げたのはなぜだろう。

もう一つは田原氏の答え方。「(お金を)もらったか、もらってないか?」という二者択一の質問に対して、通常は「イエス、ノー」で答えられずはずだ。それをわざわざ他人の発言を引用しながら「ノー」と答えた。「イエスかノー」で答えられる問題に、スッと答えられない時というのは、「誤魔化し」がある場合が多い。浮気調査と同じ。相手が浮気してるかどうか探るときに「あなた浮気してるでしょ!」と質問してみる。浮気をしていなければ「してないよ」とスッと答えられる。ところがやましいことがある人は「なんで?(そんなことを聞くの?)」とか、とにかくスッと答えないのだ。

番組のレギュラー出演者で政治評論家の三宅久之氏にも上杉氏が突っ込んだ。「(官房機密費を受け取った)リスト」に名前が挙がっていたからだ。この上杉氏のツッコミに対して三宅氏は実に「灰色」の答え方をした。

まず今回自分が「リスト」にあがったことに対して大変憤慨している、と。一方で自分のようなフリーのジャーナリストというのは、何かの対価として報酬を受け取るのは当然である。例えば政治家に頼まれて講演会に出席して、その講演料を貰うというのは当然じゃないか、と。三宅氏は過去に自民党議員から2つの講演を頼まれて引き受けたそうだ。そのあと政治家秘書から講演料として100万円を受け取ったことがあるといった。そして「その時は」そのお金は秘書のポケットマネーだと思っていて、それが内閣官房機密費から出てるとは露とも知らなかった、旨の発言をしたのだ。これは暗に「自分は官房機密費をもらった」ことを「自白」したようなものだ。「知らなかった」とはいえ、脇が甘かったといわれてもしょうがないのではないか。こういう事実が明らかになると、三宅氏がこれまで繰り広げてきた様々な発言について、色眼鏡でみてしまう。彼はひたすら民主党や小沢氏にたいしてネガティブな発言を繰り返してきた。今回の「自白」をきっかけに、視聴者の中には「お金貰ったからこんなことを言ってるんじゃないのか」などと疑念の目で見られることになる可能性もある。だから評論家が権力からお金を貰うことは、(例え何かの対価であったとしても)あってはイケナイことなのだ。

先日発売された「週刊ポスト」に「マスコミとカネ」問題の記事が出ている。これは必読だ。そして明日。その注目の上杉隆氏が同志社大学で講演会を行う。新町キャンパス臨光館204。時間は18時半から。入場無料。

行きたい!!でも仕事 涙

同志社行ってる卒業生ってだれかいたっけなぁ。明日の講演、絶対オモロイぞ!