BUZZER BEATER

少し前のことだった。

ケーブルテレビのチャンネルをカチャカチャかえていた時に、バスケットボールのアニメを発見してそのままみいってしまった。

ちなみに私は中学・高校とバスケ部に所属するバスケ少年だった。今でも部屋にはバスケットボールが転がっている。

中学の時にオスグッド・シュラッター病という病気になってしまって、ろくに運動もできないカラダに一時的になったこともあった。腎臓を悪くして、ドクターストップがかかったこともあった。

それでもバスケをやめることができず、高校に入ってからもバスケを続けた。

社会人になってからも、何度かバスケ好きの卒業生や友人を集めて、体育館を借りてバスケを楽しんだりもしている。

バスケが心から好きなのである。

私が中学・高校生の時は、スポーツアニメといえば、そのほとんどは野球を題材にしたものだった。

「ドカベン」「侍ジャイアンツ」「巨人の星」「キャプテン」「あぶさん」「悪たれジャイアンツ」「野球狂の詩」・・・・・・

野球以外では、サッカ、テニスのアニメがあった。

しかし、バスケアニメは存在しなかった。

その理由は様々あろうが、まず日本国内でのバスケ人気。やはりこれが大きかったのだと思う。私が学生の時にＮＢＡのスター選手などを知っているのは、ごく限られた人だけだった。ジャバーといってもわからない人の方が多いのではないか。

それからバスケットは攻守交代が激しいスポーツなので、やはり描きづらいというのがあると思う。

だからバスケを題材にしたマンガを描くというのは、かなり難しいのだろう。

それを打ち破ったのが、ご存じ井上雄彦「SLAMDUNK」だ。

バスケを知らない人が読んでも面白い作品だった。あの作品を読みながら何度となく鳥肌が立った。

私にとっては、それくらいすごい作品ということだ。（ちなみに私は三井が好きだ。あの３Ｐシュートは素晴らしい！）

それまでは無理じゃないかと思われた、バスケの試合のシーンが見事に描かれていた。

あの作品のおかげで、バスケ人口も増えたと思う。

さてそのバスケマンガの金字塔「SLAMDUNK」以降、それにつづくバスケマンガは、私の知る限り出てこなかった。少なくとも世間の注目を集めるようなバスケ作品はなかったと思う。

もしスラムダンク以外のバスケマンガをみたとしても、「どうせ、スラムダンクには及ばないだろう」という目で見てしまう。そうだからこそ、描き手側からすると、あの作品を越える完成度で描かないとヒットしないことになる。これはかなり高いハードルだ。

そのような思いが私の中にはある。

さて話を最初に戻そう。

私がケーブルテレビで目にしたのは、ちょうどバスケットの試合の場面だった。

「おぉ！バスケのアニメ！珍しいやん」

と思って、チャンネルをかえる手を止めた。

心の中では、（たぶん、しょうもないやろな・・・）と思いながら観ていた。

ところが！

実に試合のシーンがよく描けていたのだ。しかも、アニメの中の登場人物達の動きが、「本当のバスケ選手の動き」なのだ。

モーションキャプチャーでも使ったのだろうか？

段々、そのアニメに引き込まれていく私。

（あら！？これ面白いんちゃうの！？）

認めたくはなかったが、試合のシーンは、テレビ放映されていたスラムダンクの試合のシーンよりも巧くできていた。

その一回を観て以来、そのアニメをビデオ撮りして、欠かさず観るようになった。

2回目の放映を観てるときに、気になることがでてきた。

井上雄彦以外に、このような面白いバスケマンガを描ける人って誰？

ってことだ。

それからもう一つ気になることがあった。

主人公ヒデヨシが、ごんたをしたときの顔が桜木花道に似ているのだ。

調べた。

結論。

このアニメは「BUZZER BEATER 」というタイトルで、作者はなんとと井上雄彦だった。

スラムダンクのあとに描かれた作品だった。

こんな面白い作品が、（少なくとも私の周りでは）全く話題にあがらなかった。

なぜか？

実はこの作品は、井上雄彦がホームページ限定で配信していたインターネットマンガなんだそうだ。

それをアニメ化したものがwowowowで2005年に放映され、2007年に日本テレビでも放映されたらしい。

wowowowに加入していなくて、さらに関西住まいの私がその存在に気付かなかったわけだ。

それが今回ケーブルテレビで放映されるにいたったみたいだ。

さっそく井上雄彦氏のホームページへとんだ。

画は粗いが手描き感があっていい。

ホームページで全話読んだのに、単行本も買ってしまった。

知らなかった人も是非どうぞ。

http://www.itplanning.co.jp/what.html#

BUZZER BEATER 1 (ジャンプコミックス)

BUZZER BEATER 2 (ジャンプコミックス)