大学1年生の時に、アルバイトで塾の講師を始めた。
一番最初塾に行ったときに、当時4年生の先輩の授業を見学した。
その時こう思った。
(うわぁ。。。すごすぎる。。。)
すごいというのは、あまりにも先輩の授業が上手くて驚いたという意味だ。
正直、(オレにこんな授業しろったって無理やで!)とも思った。
その後その先輩の前で模擬授業をやった。
あんな上手い授業見せられた後に授業しろって罰ゲームやで。
でももう、やるしかない!
腹をくくった。
15分くらいの英語の授業。
たった15分で、のどがカラカラになった。
決して上手い授業とは言えなかったと思うが、いや、むしろボロボロだったと思うが、模擬授業終了後、先輩からかけられた声はこうだった。
授業、むちゃくちゃうまいですね
この一言で救われた。
やれる!という気持ちが芽生えた。
もちろん先輩の言葉は私を励ます意味があったのだろう。
もしその時、あれやこれやと駄目なところを指摘されてたら、そのまま塾講師を続けていただろうか。
私が「できるぞ!」と思えたのは、先輩の言葉があったからだ。
私に講師の道の第一歩を踏み出させてくれた先輩には今でも大感謝である。
今から思えば、大学4年生という若さで、後輩の将来を考えてそういった言葉をかけれるって凄いなぁ。
今日、モエニホ模試をしているとき、ふっと隣の教室を覗いた。
すると見知らぬ若い先生が、誰もいない教室で板書をして授業をしていた。
黒板には「開国から倒幕へ」と書かれていた。
中学日本史だ。
日本史ということもあり、興味が出てきて少しの間外から授業を見ていた。
すると中の先生と目があったので、教室の中に入っていった。
「何してはるんですか?」
と訊くと、このあと模擬授業があって、その練習をしているのだそうだ。
今回が2回目だという。
1回目の模擬授業の後、担当教官からは「メリハリがない」といわれての今回の模擬授業。
授業展開や板書、話し方などいろいろとまずいなと思うところがあった。言ってあげた方がいいなと思うこともたくさんあった。
彼に言ったことはこれだけ。
「おっきな声出して、元気よく行きましょ!」
育ってくれたらいいな。