職人気質

職人と商人とは別物だ。

職人は「いかにイイモノを作るか」を追求する。

商人は「いかに商品を売るか」を追求する。

職人が商売をやると失敗する場合が多いと聞く。なぜか?職人はこう考えてしまう。「イイモノを作れば絶対売れる!」そこが違うと思う。イイモノなどは世に溢れ出ている。そのイイモノをイカに売るかの戦略が大事なのだ。

これは商売だけではない。例えば私がいる予備校業界にもいえる。塾には当てはまるケースは少ないが、私がかつていた大手予備校などはまさしく講師同士で生徒を奪い合う。講師同士が商売敵という信じられない空間だった。

そこで勝ち組と負け組がでてくる。大手予備校に出講する先生は、それなりの実力を持った人が多い。そこで優劣が出る。「イイ授業をすれば生徒が集まってくる」と思ってやってる人はいつまで経っても人気講師になれない。イイ授業なんてするのは当たり前のことだ。プロなんだし。イイ授業をする人はたくさんいるのだから、そこから抜け出すためには+α(戦略といってもいい)が必要なのだ。

皆さんの友達に、無茶苦茶歌が上手い人はいないだろうか?もしかして、本気でプロを目指している人とかいないだろうか??深夜番組で「歌スタ!」というのがあって毎週観ている。素人が歌を歌って、プロが気に入ったら札をあげるっていう素人参加番組だ。この番組を観ていると、無茶苦茶歌が上手い人がたまに出てくる。ところが、歌が上手いからといって、はい合格とはならない。歌が上手いだけの人などごまんといるのだから。

どんな業界でも抜け出す人は「何か」を持っている。その「何か」は人によって様々であろう。「天才」と言われる人はもしかしたらそれを生まれながらにしてそれを持ち合わせているのだろう。しかし、世間にそんなにたくさん天才がいるわけではない。多くの抜け出す人は「何か」を得るために努力をし、抜け出すためには何が必要かを突き詰めて考える。その結果、「イイモノ」ではなく「スゴイモノ」が出来上がるのだ。私の業界で言えば、「イイ授業」ではなく「スゴイ授業」をする人が人気講師となりうる。(私も日々そう思って悩みながらやってるんやけどね。なかなかうまくいかないんだなぁ、これが 笑) ミュージシャンでもそう。歌が上手い人よりスゴイ人が売れる。

結局、どの業界に進むにしても、イイモノを作ったら上手くいくと考えていてはダメで、イイモノではなく「スゴイモノ」を作るべし。そしてスゴイモノを作るためには(またはスゴイ人になるためには)不断の努力と戦略が必要なのだ。と自分に言いきかせて、今日はお休みなさい。今日はそんなことを強く感じた一日だった。東京行きが迫ってきたけど、なんかそっち雪??寒いの嫌い!!