「人間(じんかん)」

福澤諭吉の三大事業というのがある。

慶應義塾設立と時事新報創刊、そして交詢社結成だ。


交詢社は福澤の提唱によって、慶応義塾関係者らによって作られた社交クラブ。

名前の由来は、


「知識の交換をし、世務を諮詢(しじゅん つまり相談)する」

からきている。

福澤は「人間」を「じんかん」と読ませた

これは「人間関係」という意味を持たすためだ。

福澤のいう「独立」は安易な個人主義ではない。

現代の日本のように、「個人個人」が好き勝手やって「自分さえよければいい」という状態を独立といっているのではない。


福澤は、独立した個人同士の人間交際の重要性を唱えている。

人間交際、つまり人が社会の中でどういう規範を持って生きていくかということだ。


交詢社はまさに「独立した個人」が集う社交クラブで、「人間(じんかん)」を実践していたのだった。