博多

土曜日。


久しぶりの博多駅

なんかいつもより人が多いなあと思いながら、ホテルへ向かっていた。

するとポスターが目に飛び込んできた。

AMU ULTRA RENEWAL

JR博多シティがリニューアルして、3月1日にオープンしたからだった。

おいおい、今日オープンかい。

そう思ってキョロキョロしてみると、お店がイロイロかわっていた。

97店舗もオープンしたらしい。



博多駅の博多口をでて左手に行くと、交番の横に、とある像が建っている。


酒は呑め呑め 呑むならば 

日本一(ひのもといち)のこの槍を 

呑み取るほどに呑むならば 

これぞ真の黒田武士

福岡の民謡黒田節。

さて福岡の人にこの像が誰かを訊いてみた。

するとなかなか正解を知っている人がいない。

多かったのが黒田長政

黒田長政は、いまやってる大河ドラマ黒田官兵衛の息子で、筑前福岡藩の初代藩主だ。


でも像は黒田長政ではなくて、その家臣で槍の名手母里太兵衛(もりたへい)だ。

酒豪で知られる母里太兵衛が、あるとき長政の使者として福島正則のもとへ送られることになった。

母里太兵衛は長政から、酒をのんで使いが失敗にならないように、禁酒を命じられる。

酒好きの福島正則は、イイ飲み相手が来たとばかりに、母里太兵衛に酒をすすめた。

太兵衛は主君からきつく禁酒を命じられている旨を伝え、これを拒否した。

しかし酒に酔った正則はしつこく酒をすすめる。

大きな杯になみなみと酒を注いで、

この酒を飲み干したなら、どんな褒美でもとらすぞ

と迫ったが、太兵衛は断固拒絶した。

ついにキレた正則は、

なんだなんだ。酒豪と聞いてた母里太兵衛でさえ、これくらいの酒をのむことができんというか。

黒田の侍もたいしたことないのぉ!

と太兵衛を挑発。


自分ばかりか、黒田家までバカにされた太兵衛はついに大きな杯を受け取りぐいぐい飲み干し、

「おかわり」

「おかわり」

といって次から次へと大杯の酒を飲み干してしまった。


太兵衛は飲み終えると、

「お約束の褒美には、その槍をいただこう」

といった。

その槍は正親町天皇足利義昭に渡され、義昭から織田信長豊臣秀吉福島正則へと受けつがれてきた、天下の名槍「日本槍」だった。


そうしてこの「日本槍」を譲り受けた。


それを歌った民謡が先の黒田節。

ちなみにドラマでは速水もこみちさんが演じています。

博多駅に行く機会があっれば、ちょっと立ち寄ってみましょう。

像の裏手に回れば逸話がかかれています。