少し前に「もったいない」という日本語が海外でブームだという記事を読んだ。
数年前の滋賀県知事選に立候補した嘉田由紀子氏のスローガンも「もったいない」だった。
もったいない。
私なんぞはついつい無駄なことをしてしまうので、きつく自分に言いきかせないといけない言葉だ。
そういえばこの前、「もったいない」を勘違いして遣っている人がいた。
吉兆で、客が食べ残した食品を捨てるのは「もったいない」として別の客に出していた。
それはもったいないというのと意味が違うと思う。。
その商品は客が金を出して買ったものなので客のモノだ。また別の客は前の客が食べ残したモノに対して金を払っているわけでもない。
さて、もう一つ心がけたい日本語がある。
みっともない
だ。
モラルの低下が著しい昨今。この言葉が多くの人に浸透してくれたらどれだけ気持ちいいか。
みっともないという言葉の語源は、「見たくもない」から派生した「見たくもないほど見苦しい」だ。
ここ十年ほどの間に、こういうみっともない現場に出くわす回数が多くなった。
実に気分の悪いことだ。
先日、電車に乗っていると、停車してドアが開いた瞬間に、別々の扉から一つの座席目指して猛ダッシュで2人のご老人が座席の奪い合いをしている場面に遭遇した。
なんともみっともない、見たくない光景だった。
電車といえば、電車の中で地べたに座り込む迷惑な高校生を、ここのところ全く見かけなくなった(少なくとも私が利用する沿線では)。
なぜだろう?
数年前に座り込んでいた世代を、小学生や中学生が見ていて「みっともないなあ」と思っていたんだと思いたい。
どうでもいい芸能ニュースを目にした。
なんじゃらほい?とおもいきや、なんでも東国原知事の下に深夜オースマンサンコンから電話があったらしい。
知事は少しほろ酔い。サンコンも酔っぱらっていたらしい。
電話口でサンコンが、「ヨコニアサカサンイルカラカワルヨ」的なことを話したらしい。
知事は聞き取りづらかったので、「え?え?誰?アサカ??」とか言っていたらしい。
その時には実は電話は浅香光代に代わられていた。
そうとは知らずに知事は「だれ?アサカ?」とやっていたらしく、これが浅香光代の癇に障って浅香光代は激怒したんだそうだ。
「もう、私はブチ切れました」
とかやってたけど。小さすぎる(笑)
みっともない話だ。
軽井沢に旅行しているときに、ホテルで「ルパン三世カリオストロの城」が放映されていた。
私はあの作品が大好きだ。
ラストシーンが印象的だ。
ルパンが救ったクラリスという少女に、「私も泥棒になるから一緒に連れて行って!」と抱きつかれる。
ルパンはその少女にほのかな恋心を抱いていて、そのとき少女を抱きしめようか懸命に自分と闘う。
結果抱きしめずに、少女の両肩をもって、「バカなこと言うなよ」と笑顔で言う。
そこに少女が飼っていた犬がやってきて、少女が犬に気をとられている隙に、ルパンはそっとその場を立ち去っていってしまう。
これが少女との別れだ。
車に乗りながら、「またな〜!」とルパン。
そこに銭形警部が現れる。
(銭形)「くそぉ、一足遅かったか。ルパンめ、まんまと盗みおって!」
(クラリス)「いいえ、あの方は何も盗らなかったわ。私の為に闘って下さったんです」
(銭形)「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。・・・・・・・・・・あなたの心です」
(クラリス)「(目を輝かせて)はい!」
そう言って銭形警部もルパンを追いかけてクラリスの前から姿を消す・・。
多くの人が「印象に残る名シーン」として、ラストのこの場面をあげる。
もちろん私も好きなシーンで、何度見ても鳥肌が立ってしまう。
しかし、私がもっと印象に残っているのが、ルパンと銭形が去った後にクラリスと共にいたおじさんが言った次の言葉だ。
「なんて気持ちのいい連中だろう」
このセリフが一番好きだ。
みっともない人が増えると、見たくもないことが増えて周りの人も不快にさせることになる。そんな社会はとても不快で嫌だ。
気持ちのいい社会ってものはできないだろうか?
まずは自分自身の普段の行動からだよね。
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