福島智先生

昨夜、NHKで爆問学問という番組を観た。私はこの番組が大好きで、毎週録画してまで観ているほどだ。昨日は再放送だったのだが、以前に観たときに衝撃的だったので、もう一度観た。

ゲスト教授は、東大で障害学を専門にされている福島智(さとし)先生。福島先生は全盲ろうの障害を持つ。つまり「見えない・聞こえない」のだ。どうやってコミュニケーションをとるのかというと、その方法は指点字

指点字とは、サポートの人が指でモールス信号のように対象者の手の甲にコトコトと打って伝える方法だ。指点字の存在もこの番組で初めて知った。福島先生は非常に明るい方だった。話すときは、当然自分の声は聞こえていない。どうやって話しているか、との問いに対しては「昔の記憶」と答えておられた。

全盲ろうになった時のことを「宇宙に放り出されたような感覚」だとおっしゃっていた。言葉ではわかるが、やはりそのことを日常的に体験しなければその感覚はわからない。

印象に残ったシーンはたくさんあるのだが、一つだけ書いておこう。先生がある本に書かれていた公式に出会った時の話。この本は、ナチスドイツの収容所に入れられた経験のヴィクトール・フランクルという人によって書かれた。そこにはこんな公式が書かれていたんだそうだ。

絶望=苦悩ー意味

絶望とは苦悩から意味を引いたもの。

そのマイナス意味を右辺にもってくると、

絶望+意味=苦悩

つまり絶望と苦悩は意味が違うんだということだ。意味のない苦悩が絶望なんだと。絶望だと思ったときにでも、そこに何か「意味」を見いだせることが出来れば、それは苦悩に変わる。

何が幸福か不幸かを考えるときに、上の公式は凄く重要な意味をもつ。しんどいから、つらいから、悩みがあるから不幸だって簡単に考えるのではなくて、意味をそこに見いだせれば、それは絶望ではない。そう考えるようにすれば、豊かな人生がおくっていける・・・・そういうことだよなぁ。。。。

いやあ、今回はいろんなことを考えるいい機会になったよ、ホンマにね。