自ら仏になる

先日、ttさんの新車に乗って高野山に行ってきた。

小学校の林間学校で泊まって以来、じつにン十年ぶりだ。


我が家から車で約2時間。


高野山に到着。


まず到着して感じたのは、

とにかくでかい!


規模が違う。


とても歩いてまわれる広さではなかった。


高野山ではまもなく開山1200年を迎える。それも手伝ってか、我々のように訪れる人は、かなり多かった。


車のナンバープレートを見ていると、全国から人が集まっているのがわかる。


金剛峰寺に参詣したあと、大師教会へいった。

ここでは生まれて初めて授戒を体験した。


授戒堂というお堂にまず入れられる。

人数は我々を入れて20人くらいだった。


最初、若いお坊さんがいろいろと説明をしてくれた。


そのあと、お堂の扉がすべて閉じられると真っ暗に。


前方に舞台のようなところがあり、その奥にロウソクが4本ともっていた。灯りといえばそれだけだ。


まさに密教!!!!


しばらくすると、アジャリがゆっくりと登場された。それを我々はひたすら大きな声で、

南無〜大師〜遍照〜金剛〜

と唱えて迎える。遍照金剛というのは、空海法号


独特の節回しだった。


横に座っているttさんの声が途中、妙に耳に入り、急に笑いがこみ上げてきた。

(いかん、いかん。ここで笑ったらぶち壊しや)


必死に耐える私。



なんとか心を「無」にしようとがんばった。



すると今度はttさんの声より、自分の声が気になりだした。


(おお!?俺の声が響いてる。ちょっとトーンを変えてみよう)


そう考えた私は、先ほどまでより1オクターブ高い声を出してみたり、逆に低い声を出してみたり、語尾をクイっとあげてみたりして1人楽しんでいたのだ。


(アカン!俺は何してんねん!!こんな時に遊んでる場合か!)


アジャリが、舞台(?)の上の祭壇のようなところに座り、暗闇のなか儀式が始まった。


今回の授戒は「菩薩十善戒」というものらしい。これは

現代社会が抱えている様々な問題に対し、重要な方向性(お導きといえましょうか)を示す

というものだ。


不殺生・不偸盗(ふちゅうとう:「盗んではいけない」ということ)不妄語(ふもうご:「嘘をついてはいけない」ということ)などなど、日常生活をおくるなかで、重要な事柄が戒められている。



20分ほど、アジャリの法話をきいた。


有難い話だった・・・・と思う。(ね、ねてないで!)


なかなか面白い体験だった。